生活習慣病予防に、お酢の効果と種類
お酢は4~8%の酢酸を主成分とする酸味調味料です。様々な健康効果があり、古代ローマでは医薬品としても扱われていました。そんなお酢ですが、どのような健康効果があるのでしょうか。
血液サラサラ効果
酢に含まれるクエン酸は、血液の塊ができるのを予防します。また、同じく酢に含まれるアミノ酸も血液の酸化を防ぎます。血管を広げる作用がある酢酸は、酢の主成分です。つまり、酢には血流をよくして血圧を下げる効果があるのです。
動脈硬化の原因である、悪玉コレステロールが血管に溜まるの防ぎ、血液をサラサラにしてくれるのです。
脂肪燃焼効果がある
お酢に含まれるクエン酸は、脂質の代謝を活発にし、余分な脂肪の蓄積を抑える働きを持っています。内臓脂肪を減らす効果があります。
疲労回復効果
糖質・脂質・たんぱく質などは、吸収されてからブドウ糖に変換され、酵素やビタミンによってエネルギーになります。これをクエン酸回路と言います。
クエン酸回路がスムーズに働かないと、ブドウ糖が分解された残りカスの乳酸がたまります。このような疲労物質がたまると、エネルギーをつくれない状態になります。
酢に含まれる酢酸は、乳酸をクエン酸回路に取り込むことができ、疲労回復に役立ちます。
お酢の種類
お酢も様々な種類があります。お酢の健康効果を得るには、どれが良いというより、お好みのものを毎日摂り入れることが大切です。
①穀物酢
酒粕、小麦、大麦、とうもろこし、豆などの穀物が原料です。これらの穀物を加熱蒸煮して冷まし、水を加えながら米麹や糖化酵素剤を加えて糖化させます。その後、アルコール発酵をさせて、圧縮装置で固液分離、種酢を混ぜて酢酸発酵をさせます。
穀物混合酢の作り方も同様で、複数の穀物を合わせたもの(米、小麦、とうもろこし、酒粕など)を原料としますが、各メーカーにより独自の配合となっています。
穀物酢の原料である穀物にはアミノ酸が多く含まれているため、複雑でコクのある味わいが楽しめます。イギリスで多く使われているモルトビネガーは、フィッシュ&チップスに欠かせない存在です。
反対に穀物混合酢は複数の原料を使っているため、クセのないあっさりとした酸味を持っています。
穀物混合酢は、どんな料理にも幅広く使え、比較的値段も安いため、日本での消費量がナンバー1です。
②米酢
原料はお米です。酢1リットルにつき、米(または酒粕)が40g以上使われていれば米酢、100%米で造られていれば純米酢となります。
米を蒸し、水と麹を加え清酒にし、これを軽く漉したらアルコール酵母を植えつけ、発酵させます。発酵後は、酢酸菌を培養して造った種酢を混ぜて酢酸発酵、ろ過して貯蔵し冷暗所で熟成させます。
お米に含まれるたんぱく質が分解されると、うまみを感じさせるアミノ酸がつくり出されます。そのアミノ酸によるコクと独特の甘みを持つまろやかな味わい、麹の香りが特徴です。純米酢はその傾向がさらに強くなります。
③黒酢
穀物酢のうち、原材料として米(精白していない物)もしくは大麦を、酢1リットルにつき、180g以上使用し、かつ発酵や熟成によって(黒)褐色になったものが黒酢です。
通常のお酢に比べて熟成期間が長いため、まろやかで芳醇な味わいがあります。黒酢はその味わいもわることながら、アミノ酸をたっぷり含んでいることでも知られています。
お酢は少ない塩分でも塩味を強く感じさせてくれるため、減塩対策にも良いですよ。普段のお料理にお酢を有効活用してみてはいかがでしょうか。